#1 ウイスキーってそもそも何なの?

STAY BAR.すずまるの「BARのススメ」

2025/06/20 16:44

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BARのススメ》#1

ウイスキーってそもそも何なの?

 

はじめに

 

「ウイスキーって、いったい何なんだろう?」

 

そう思ったこと、ありませんか?

 

わたし自身、BARで働きはじめたころに、

「名前がたくさんあってよく分からないな」と感じていたひとりです。

 

バーボン?シングルモルト?スコッチ?

聞いたことはあっても、どう違うのか説明できない…。

 

でも少しずつ知っていくうちに、

ウイスキーは“難しいお酒”じゃなくて、

“知れば知るほど楽しくなるお酒”なんだと気づきました。

 

この「ウイスキーのススメ」では、「ウイスキーってそもそも何なのか?」という基本のところから、原料・製法・種類の違いまで、できるだけ分かりやすくまとめていきます。

 

初心者の方には「ウイスキーって、そういうことか」と腑に落ちるきっかけに。

すでにウイスキーが好きな方にも、「あらためて基本を整理できた」と思ってもらえるような内容を目指しています。

 

それでは、ウイスキーの世界を少しずつ紐解いていきましょう。

 

 

1. ウイスキーは「蒸留して、熟成させるお酒」です

 

ウイスキーは、ビールやワインとはちがって「蒸留酒(じょうりゅうしゅ)」という仲間に入ります。

 

ざっくり言うと、

穀物を発酵させて

• アルコールを取り出して(=蒸留)

• 木の樽で寝かせる(=熟成)

 

この3ステップでつくられるお酒です。

 

 

2. 原料は「穀物」──味の個性を決める大切な要素

 

ウイスキーの原料は、大麦・トウモロコシ・ライ麦・小麦といった穀物です。

 

これらを粉砕して糖化・発酵させたあとに蒸留し、樽で寝かせてウイスキーになります。

 

使われる穀物によって、仕上がりの香りや味わいは大きく変わってきます。

モルト(大麦):香ばしく、麦の風味が際立つ

コーン(トウモロコシ):甘く、まろやか

ライ麦(ライ):スパイシーでキレがある

ウィート(小麦):柔らかく、なめらか

 

たとえば「バーボン」はコーンが主原料で甘みがあり、「ライウイスキー」はスパイシーでシャープな印象。こうした“原料の違い”が、ウイスキーの個性を形づくっているのです。

 

 

 

3. ウイスキーの色は「樽」がつけたもの

 

ウイスキーといえば、あの美しい琥珀色。

でも実は、蒸留されたばかりのウイスキーは透明です。

 

色がつくのは、熟成の過程で木の樽から色素が移るから。

つまり、あの深い色合いは、年月と樽がつくり出した“時間の証”なのです。

 

さらに、香りや味も樽によって変化します。

オーク樽のバニラ香、シェリー樽のフルーティーな甘さ…。

熟成する環境や樽の種類が、ウイスキーの個性を大きく左右します。

 

 

 

4. 「名前が多くて分かりづらい」のはなぜ?

 

スコッチ、バーボン、アイリッシュ、ジャパニーズ……

ウイスキーって、とにかく名前がたくさんあって、ややこしいと思ったことはありませんか?

 

でも、その理由はとてもシンプル。

「どこで」「何から」「どうやって」作られたかによって、名前が変わるだけなんです。

 

たとえば:

•スコットランドで作られたら → スコッチウイスキー

•アメリカでトウモロコシを主原料にすると → バーボンウイスキー

•日本で作られたら → ジャパニーズウイスキー

 

名前のルールや分類の仕組みを知れば、「あ、そういうことか!」とすっきり見えてきます。

 

つまり、名前が多いのは“個性が豊か”な証拠

ウイスキーの世界には、さまざまな土地の風土や文化が詰まっているんです。

 

(このあたりは、今後の記事で詳しく紹介していきますね)

 

 

 

まとめ|ウイスキー=熟成する飲み物

 

私が働く《BAR五》のマスター、西川大五郎さんは、ウイスキーをこう表現します。

 

「ウイスキーとは、熟成する飲み物」

 

穀物を原料に、発酵・蒸留し、木の樽でゆっくりと寝かせていく。

その過程で、無色透明だった液体は、年月とともに琥珀色へと姿を変え、香りや味わいに深みが生まれていきます。

 

ウイスキーは、時間と自然、そして職人たちの技術によって、少しずつ“育っていく”お酒。

何十年という歳月をかけて完成するその一杯には、たくさんの手間とロマンが詰まっています。

 

この《ウイスキーのススメ》では、これからウイスキーの産地や種類の違い、おすすめの銘柄、BARでの楽しみ方なども、少しずつ丁寧にご紹介していきます。

 

奥深くて、複雑で、それでいてどこか自由なウイスキーの世界。

その入り口として、この記事があなたの「第一歩」になれたら、とてもうれしく思います。

 

次回は、「ウイスキーって、どうやって作るの?」をテーマに、製造工程をじっくり紐解いていきます。

 

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