
#4 BARに行く前に知っておきたい8つの注意点
― 初めてBARに行く前に、知っておくと安心な基本的な8つのマナーをご紹介します ―
「BARってマナーが厳しそうで、ちょっと不安…」
「失礼なことをしてしまわないか心配…」
そんな方に向けて、この記事ではBARを気持ちよく楽しむための基本的な注意点をまとめました。
筆者であるスズマルが、現場で学んできたことをもとに、
“これだけ知っておけば安心”な8つのポイントを分かりやすく紹介していきます。
「マナー」といっても、堅苦しいルールではありません。
どれも、お店や他のお客様と気持ちよく時間を共有するための、最低限の配慮です。
初めてBARを訪れる方でも、気後れせずに楽しめるように。
ぜひ、ひとつずつ読み進めてみてください。
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1|酔ってから行かない
一杯目を楽しむために、少しだけ“余白”を残しておこう
BARは「お酒を楽しむ場所」であって、「酔うための場所」ではありません。
すでに酔っている状態で訪れると、どうしてもトラブルが起こりやすくなります。
• 声が大きくなる
• 足元がふらつく
• 他のお客様にぶつかってしまう
• グラスやボトルを倒してしまう
こうしたことがあると、周囲に気を使わせてしまうだけでなく、自分も十分に楽しめません。
マスター・西川大五郎もこう話します。
「BARは、お酒の“味”を楽しみに来る場所。
酔う前のほうが、その一杯の良さがちゃんとわかると思うよ」
一杯目を味わう余裕を持って、落ち着いた足取りで扉を開ける。
それが、BARとの最初のいい関係の築き方です。
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2|過度な軽装でBARには行かない
「空間に敬意を払う」服装が、心地よさにつながる
BARには厳格なドレスコードがあるわけではありません。
ただし、あまりにもラフすぎる格好は避けたほうが無難です。
たとえば――
• 短パン
• サンダル
• 肌の露出が多い服
こういったスタイルは、オーセンティックBARの落ち着いた雰囲気とは合わないことが多く、場に“浮いてしまう”可能性があります。
特に、照明や調度品など空間全体にこだわりのあるBARでは、「この空間をどう楽しむか」が服装にも表れるとされています。
マスターの言葉を借りれば、
「無理にキメる必要はないけど、“ちゃんと来てくれたんだな”って伝わると、こっちも嬉しいよね」
店によっては、ドレスコードが明確に決まっている場合もあります。
そのときは事前に調べておくのがおすすめです。
そうでない場合でも、「その場にふさわしいかどうか」を軽く意識するだけで、空間にも自分の気持ちにも、自然といいフィット感が生まれます。
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3|香りは“お酒”のために残しておく
ウイスキーやカクテルの魅力のひとつは、なんといっても“香り”。
強すぎる香水や柔軟剤の匂いは、せっかくの繊細な香りをかき消してしまいます。
マスターは「俺も香水の香りが好きだけど、お酒の香りが分からなくなってしまうような強すぎる香りは控えてほしい」と話しています。
「香りを楽しむためには、自分の香りも調えてあげることが大切」なのですね、、
ほんのり香るくらいが、BARにはちょうどいいのです。
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4|グループで訪れるときは事前連絡を
BARはこぢんまりとした空間が多く、大人数で突然訪れると、
他のお客様やお店に負担がかかる場合もあります。
もちろん、グループがNGというわけではありません。
「◯人で伺いたいのですが、入れますか?」と事前に確認するだけで、お互いに気持ちのいい時間が過ごせます。
大人数で来店を考えている際は、事前にお店に確認の連絡を入れる事、店内で騒がない、ことに気をつけましょう。
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5|声のボリュームに気をつけよう
静けさもBARの雰囲気の一部です
BARは、にぎやかな居酒屋やレストランとは少し違って、静けさも魅力のひとつです。
グラスが氷に当たる音や、バーテンダーの動き。
そういった音も含めて、空間をつくっています。
つい話が盛り上がって声が大きくなることもありますが、
ひとりで静かに飲んでいる方や、落ち着いた時間を過ごしている方もいます。
「ちょっと声が大きかったかも」と気づけるだけで、
その場がより気持ちのいい空間になります。
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6|スマートフォンの使い方にも配慮を
写真も通話も、“空気を壊さない範囲で”
BARでは、スマートフォンの使用が全面的にNGというわけではありません。
写真を撮ったり、調べ物をしたりする場面もあると思います。
ただし、お店の雰囲気や周囲のお客様の時間を損なわないことが大切です。
たとえば以下のような配慮があると安心です。
・写真を撮るときはシャッター音を消して静かに
・通話が必要なときは一度お店の外へ
・他のお客様が映らないように注意する
・お店の備品やボトルを勝手に撮影しない
こうした小さな配慮が、場の印象を大きく左右します。
写真を撮ること自体は問題ありません。
でも、「この空間に配慮できているか」を一度意識してみることで、BARでの過ごし方がよりスマートになります。
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7|“何も頼まない”で長居しない
一杯を楽しむ場所であることを忘れずに
BARは、お酒と時間を味わう場所です。
もちろん、1杯だけでも大歓迎。
でも、何も頼まずに長時間居続けるのは避けたいところです。
マスターに「一杯で滞在する目安はどのくらいですか?」と聞いてみたところ、
「1時間が目安だろうな」とのこと。
あくまで目安ではありますが、
グラスの氷がすっかり溶けきっていたり、飲み物にまったく手をつけていない状態で長時間居ると、周囲からも気にされてしまうかもしれません。
適量のお酒を楽しんだら、
そっと次の一歩を踏み出す――それも、BARならではのスマートな過ごし方です。
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8|お酒を“粗末”に扱わない
一杯と丁寧に向き合うことが、BARらしさにつながる
「ガバガバ飲む」「無理して飲み干す」――
そうした飲み方は、BARの空気にはそぐいません。
BARでは、お酒の香りや味わいをじっくり楽しむことが大切にされています。
“酔うために飲む”のではなく、“味わうために飲む”という姿勢が、自然と求められます。
マスターはよくこう言います。
「一杯のお酒と向き合う時間こそが、BARの醍醐味だと思うんだよね」
お酒と、自分自身に静かに向き合う。
そのひとときが、少し背筋を正してくれるような、大人の時間になるかもしれません。
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補足マナー|気づけると、もっとスマートに
ここまでご紹介した8つのポイントに加えて、
BARで過ごすうえで、知っておくとよりスマートに映る小さな気づかいがあります。
どれもルールではありませんが、自然にできると、空間の雰囲気がより心地よく整います。
● 席には「案内されてから」座る
カウンターやテーブルの配置には意味があることも多く、
お店では動線や空間バランスを見て案内してくれることがあります。
入店時は、勝手に座らずスタッフの案内を待つのが自然です。
● 備品やボトルは「勝手に触らない」
棚のボトルや道具類が気になるときも、無断で触らないのが基本です。
お店の演出の一部だったり、大切に扱われているものだったりすることもあります。
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まとめ:マナーは“縛り”ではなく、“楽しむための土台”
BARのマナーは、「こうしなければならない」という堅苦しいルールではありません。
むしろ、それは「この空間を、誰かと一緒に気持ちよく過ごす」ための思いやり。
それが自然にできれば、BARはぐっと身近で、自由で、心地よい場所になります。
はじめての一杯を、気持ちよく楽しめるように。この記事が、その“最初の一歩”のお手伝いになれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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